
従来からあるお米コンテストの矛盾から生まれたお米番付
「お米番付」では、従来のお米のコンテストにある食味計による「ふるい」にかけた審査は行わず、日本米穀小売商業組合連合会(日米連)に認定された八代目儀兵衛のお米マイスター29名が、「7つの審査基準」に則り審査します。現在日本で広く行なわれているお米コンテストは、一次審査での食味計の機械を使ってお米を点数化し選別されます。この点数のポイントは、お米の硬さの要因であるタンパク質が少ないお米、でんぷんの中のアミロースが少ないお米が高得点を得られるようになっており、そこで残ったお米だけが二次審査での食味で評価される制度になっています。そのため、本来、私たちが重要視しているお米の「甘味」や「香り」は一次審査の段階では正しく評価されておらず、人が感じる「甘い」という感覚、土から醸し出される甘さや香りなどは、一切食味計では表現されていません。機械での分析では一定の数値だけのお米が評価されるため、画一的な種類ばかりが上位を占めてしまうのが今のコンテストの現状です。
お米の個性を大切にするため、食味計に頼らず、実際に人の五感で感じる美味さを頼りに、お米を評価する試みとして「お米番付」の実施を決定しました。「お米番付」では、特定の産地や銘柄にこだわらず、実際に食してお米を「目利き」し、五感で味わう官能テストによって人の感じる「甘いお米」を探します。
このコンテストの目的は単なる一過性のイベントではなく、最終審査にエントリーされたお米は消費者の皆様にも実食体験できるよう、八代目儀兵衛の運営する京都祇園のアンテナショップ「八代目儀兵衛」にて土鍋釜で炊き上げ直接お客様へ提供いたします。また、国内航空会社の機内食への推薦、京都の一流料亭へのご提案や、八代目儀兵衛のインターネット通販にて贈答用のお米として販売するなど、生産者へのコンテストの称号にとどまらず、実際に消費者の元へ届ける仕組みを考え、お米の新しい流通の構築を目的としています。
有名産地ではなく「お米の甘さ」がお米の美味しさを決める
近年、日本では食の欧米化に伴うお米離れが急激に加速しています。米屋としてお米の美味しさ、美味しく食べる方法などを消費者の皆様に知っていただく事や、親から子へ「甘い」お米の味を伝えていく食文化を育む啓蒙活動がその役割であると考えています。また、特定の産地や銘柄にこだわらず、未だ全国では無名のその地域でしか知られていないようなお米を、実際に食して「目利き」し、五感で味わい感じる「甘いお米」を、より多くの方に体験していただきたいと考えています。
新たなお米の流通構築を目指して
毎年日本穀物検定協会によって、全国食味ランキングが発表されています。上位にランキングされたお米は、同じ産地、同じ品種のものは入手できても、審査されたお米そのものを食べることはできません。お米は同じ地域・品種のものでも作られる土壌、作り手、肥料など様々の要因によって、味の差が出ます。
「お米番付」では、審査された実際のお米、同じ作り手によるお米を実際に、食べることができ、そしてギフトとして贈れるという新しい形で購入することができます。生産者の方々にとっては、今まで自分のお米が産地銘柄という枠に縛られていたものが、お米そのものの品質で評価され、お米づくりに対しての正当な評価を得る機会でもあり、同時に飲食店や、インターネット通販での使用など新しい販路を得ることができます。
八代目儀兵衛ではこうした新たなお米の流通革命を起こす事で、日本のお米業界の活性化を進めます。